愛と誇りに溢れた研修大会
会 長 大倉喜代美
第五十九回研修大会並びに総会が無事に終了いたしました。文部科学省総合教育政策局教育人材政策課長後藤教示様はじめ、ご来賓のご臨席を賜り、また会員の皆様をはじめ、多くの方々にご参会いただき、心より感謝申し上げます。
一日目には、今回で三回目となります直山木綿子先生をお迎えしました。『個別最適な学びと協働的な学び』等、文部科学省から出されている多くの内容について言葉の意味を含めて、分かりやすい説明で理解を深めることが出来ました。特に「授業とは、子供が出来ることが増えること、子供が変容すること」という言葉から、教育の原点を思いました。魅力全開、エネルギー溢れるご講演で、今回も楽しく学ばせていただきました。
二日目は藤井健大先生のご講演でした。ご自身が経験されてきた不登校の問題に向き合い続けていらっしゃる、その強い信念を持った生き方から、今、そしてこれから私たちが出来ることは、しなければならないことは何か、多くのご示唆をいただきました。
実践発表では、杉田綾美校長先生、浅見浩子校長先生からご報告いただきました。学校再生を目指し、子供たちの豊かな成長を目指し、創意工夫を重ねた授業作りに誇りをもって教職貝一丸で取り組んでいる両校の先進的な実践を知り、改めて授業の大切さを実感しました。まさに直山先生のご講演内容がしっかりと具体化されていることに大きな感動を覚えました。
教育懇談会では、話し合いの視点『他者を理解しながら、人との関わりで配慮していることは』に沿って、明るく真剣に話し合う皆様の笑顔が見られました。特に、藤井先生のご講演に関する様々な思いが出されていたことが印象的でした。
ご参会者の皆様と豊かに学び合い、女性連盟への愛と誇りが溢れた大会になったのではと大きな喜びを感じております。
会報百七十一号で『ウエルビーイング』について触れました。理学博士の佐治晴夫氏は「幸せは良い思い出と感謝の中に~かつて幸せだと感じたあのひとときのことを意識的に思い出し、五感をフル稼働して、その時の感情に浸ってみることが気持ちのリフレッシュにつながる。更に今日一日の中で感謝したい出来事、人の役に立てたことを探し、振り返ることで明日への元気が湧いてくること必至~」とおっしゃっています。佐治氏なりのウエルビーイングであり、教育懇談会で熱く語られる皆様に重なるところがあると思いました。
来年は六十周年を迎えます。また多くの皆様にお会いできますこと楽しみにしております。
【ありのまま 苦楽を生きて秋彼岸 喜代美】
よりよく生きるとは
会 長 大倉喜代美
水温む季節、日差しが明るく穏やかで美しく感じられます。
現在事務局では、来る第五十九回研修大会に向け準備を進めているところです。四年間続けてきた研究主題「今、輝いて生きる」を教育女性連盟の大切な宝とし、新たな主題を考えました。研修部から提案された内容を、役員会で話し合い検討を重ね、主題を「未来を共に拓く」サブテーマを~多様性を理解し合い、豊かに生きる~と設定いたしました。そこに込められた私達の熱い思いは、会報をお読みになり、ご理解いただければ幸いです。
講師は三回目となる文部科学省初等中等教育局視学官の直山木綿子先生、また、同じ文部科学省大臣官房室総務課の藤井健人先生にお願いしました。
実践発表は葛飾区立小松南小学校杉田綾美校長先生、川越市立新宿小学校浅見浩子校長先生です。諮師、実践発表校についての詳細もぜひ会報をお読みになり、当日を楽しみにしていただきたいと思います。
そして毎回熱く語り合える教育懇談会など、今回も魅力ある充実した内容で、ご参加くださった方々と、豊かに学び合い明日への元気が湧いてくるような会にしたいと思っています。どうぞ皆様お誘い合わせの上ご参加くださいますようお願いいたします。
今、社会でも教育界でも「ウェルビーイング」という考え方が注目されています。文部科学省初等中等教育局から出されている資料の中では「ウェルビーイングとは、身体的・精神的・社会的に良い状態にあることをいい、生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を含む概念」と示されています。シンプルに表現すると、「ウエルビーイング」とは『よりよく生きること』と言えるかもしれません。価値観が多様化する現代では、生き方もより自由になり、幸福を感じる時は人それぞれだと思います。それぞれが自分の「ウェルビーイング」を考えてみてはいかがでしょうか。
年明けから、能登半島地震、羽田空港の炎上事故と、辛く悲しいニュースが続きました。犠牲になられた方々のご冥福を、そして被災された方々が一日も早く良き方向へ向かえますよう、心よりお祈りいたします。
春三月、学校現場では愛情込めて育ててきた卒業生を送り出す時期を迎えています。どの子も力強く前向きに未来へ進んで行ってほしいと願っています。
【志を高く 巣立ち歩まん 春の道 喜代美】
教育女性連盟の役割
会長 大倉喜代美
第五十八回研修大会を無事に終え、早速事務局では来年度の研修大会に向けた準備を進めてきています。研究主題設定、講師・実践発表校の選定等々、充実した大会にするために知恵を出し合った話し合いを重ね、形が出来つつあります。
さて、今年もすさまじい猛暑に見舞われましたが、それに負けないほどの熱いエネルギーをいただいた出会いがありました。
その一つは、樋口恵子先生、坂東眞理子先生の『どっこい人生対談=老いも若きも七転び八起き』に参加できたことです。樋口先生からは「老いこそ個性的であり、不自由になるところは人それぞれ。目が見えづらくなれば眼鏡を、耳が聞こえづらくなれば補聴器を、歩きづらくなれば杖を…と、老い方に対応していけばいい。ただ、その多様性をお互いに理解し尊重することが大切。」などと、いつもながらの軽妙でユーモアあふれる中にも大切な教えがある樋口節が聞かれワクワクしました。坂東先生は「高齢者が生き生きとした生き方をするためには、自分から周りと関わっていくことが大切。〈今日用〉 〈今日行く〉 という言葉が今言われているが、自分から用を作る、自分から進んで行くことが大事。自分の人生を引き受ける覚悟が必要。」など力強い言葉をお聞きしました。社会に関心を持ち、社会に参加し、人間を愛し、人生百年時代を生きる初代のモデルを築いていくことを目指している女性連盟の姿勢と重なり、改めて私達が進めていることに自信と誇りを持てました。
二つ目は、『全国公立小中学校女性校長会研究協議会山口大会』に参加したことです。学校現場が抱えていることがどれだけ厳しく大変なことかを知り、それでも現役の女性校長先生方の熱い思い、明るいパワーに圧倒されながら、私達の役割をしっかり考えていかなければと身が引き締まりました。
季節は確実に動いています。
とにかく私達自身が元気に前向きな生き方をしながら子供達の幸せな育ちを願うことで、自ずと私達の役割が見えてくるような気がしています。
【校門へ かけ行く子等の 息白し 喜代美】
誇りある教育女性連盟
会長 大倉喜代美
第五十八回研修大会並びに総会が無事に終了いたしました。文部科学省総合教育政策局教育人材政策課長後藤教至様初め、多くのご来賓のご臨席を賜り、また会員の皆様を初めご参集頂きました多くの皆様と感動ある学びを共有することが出来ましたこと、心より感謝申し上げます。
一日目には昨年に続き、直山木綿子先生をお迎えしました。新しい教育が真に目指している内容をエネルギッシュにユーモアを交えながらも、大切なことをしっかりと抑えたご講演で、久しぶりに授業を受ける子供のようにワクワクしながら主体的に楽しく学びました。
二日目は吉川稲先生(名字の吉:正しくは土に口)のご講演で、人との出会いに感謝し、常に先見の目を持ちながら力強く走り続けた生き方を学び、大きな刺激を受け、挑戦への意欲が沸いてくる思いでした。目の前にお立ちになった先生のオーラに圧倒されながら、感動的な時間があっという間に過ぎていきました。
実践発表では、台風の影響を受けながらも駆けつけてくださった清水智子先生、纐纈みどり先生からご報告頂きました。両校とも育てたい子供の具体的な姿の実現に向けた意欲的な実践で、楽しんで主体的に取り組んでいる子供の姿が見られました。長い間のコロナ禍にあっても、学校現場では子供達へのよりよい教育のために日々研究を重ねていらっしゃることに頭が下がる思いでした。
教育懇談会では、話し合いの視点「時代が変わっても伝えていきたいこと」に沿って、どのグループでも時間ギリギリまで話が盛り上がりました。皆様がいかに日々社会貢献を初め、様々なことに興味関心を持ち、心豊かに生活を送られているかを伺い知ることが出来ました。
さて私はこの度の総会において会長という重責を仰せつかりました。水上前会長初め歴代の会長の皆様が脈々と築かれてこられた伝統・志を引き継ぐことに誇りを持ち、更なる本会の発展に力を尽くしてまいります。社会の大きな変化の中にあって、女性連盟としての役割を考えた時、不易と流行の考え方を大切にしながら、事務局一同知恵を絞り、創造力を働かせながらより良い方向に進んでいく所存です。
今後とも皆様の温かく熱いご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。
【朝顔や 去年(こぞ)の種継ぐ 今朝の花 喜代美】
前会長 あいさつ
感謝無限大!!
前会長 水上芙佐子
全国の会員の皆様のご協力と諸先輩方のご支援他、多くの皆様方のお力添えを頂きながら、無事に任務を終えることができました。心から感謝申し上げます。九年前、女性連盟創立五十周年記念の会で、講師樋口恵子先生は「人生百年役立ちて生きる」とお話しされました。歳を重ねる毎に女性連盟にとっても、私自身にとりましても、大切な生き方の指針となったのであります。
そして、今年度は女性起業家の吉川稲様をお迎えして、大変有意義なお話を伺う事が出来ました。私財を投じて奨学金事業を立ち上げたというお話は、まさに「人生百年役立ちて生きる」を体現されていらっしゃる姿、と感銘を受けました。「出会い」と「頂いたご恩」に感謝を忘れないという心は人間の生き方として、決して忘れてはならない大事なことと私は捉え、改めて自らの心に刻みました。
遺伝子学者の村上和雄氏は「見返りを求めず一つのことに打ち込んでいると、それまで眠っていた遺伝子『オン』に成る」と言っています。私は、女性連盟で学びのスイッチを「オン」にさせて頂きました。
女性連盟のテーマであります「輝いて生きる」を、私もこれからの人生の目標として、心新たに「スイッチ・オン」を掲げ続け前進してまいります。素晴らしい生き方へとお導き頂いた全国教育女性達盟の関係全ての皆様に、心から感謝申し上げます。この気持ちは「無限大」です。
世界の情勢はまだまだ混沌としています。今こそ女性の力を、日本にいや世界に発揮すべき時なのではないでしょうか。
これからは大倉新会長のもと、皆様のご支援も賜りまして、女性連盟のますますのご発展を心からご祈念申し上げます。