何のために生まれて、何のために生きるのか

全国教育女性連盟 会長 水上芙佐子

 今年の夏は猛暑が続きました。そんな中さわやかな涼風を感じさせる出来事に出会いました。
 一つ目は、ユースリーダー協会(若者が夢と誇りをもって挑戦ができる社会づくりに取り組んでいる) 主催の若者力大賞の授与式への参加です。
 今年は百年に一度のモビリティー革命をおこし、周りを巻き込んで、空飛ぶ自動車の開発をした若者が受賞しました。
 二〇二五年の大阪万博に実用化をスタートさせたいとの熱意に、広大な土地を無償で貸してもらったり、日本が大好きと外国の優秀な技術者が入社してくれたりしているそうです。
 満員電車、交通渋滞によるストレスを解消して、社会貢献をしたいと語る姿を尊く、頼もしく感じました。
 二つ目は、若き三大テノールとして世界中の注目を集めている、イタリアの三人組の歌手イルヴォーロのライブに参加したことです。
 弱冠二十代の若者の「僕たちのクラシック音楽への愛を世界中の人々と共有したい」という願いを込め、力強くかつ繊細な歌声です。大きく羽ばたくその姿を目の当たりにして、心の奥深くまでエネルギーを頂きました。
 また、世界平和を願い京都の清水寺で奉納チャリティーライブも行うことができたとの挨拶に静かな感銘を覚えたのでした。
 若者たちの計り知れない可能性と希望に満ち溢れた未来。誠に清々しい出会いでした。

 ところで我が家の玄関には小さな二宮尊徳の石像があります。「父母その父母も我が身なり我が身愛せよ我を敬せよ」という尊徳の道歌があります。
 遠い昔の祖先の代表である父母から生まれた自分。三代を百年とすると三十代で千年、平安時代までさかのぼると祖先の数は十億人以上になるそうです。一人が欠けても自分は生まれてこなかった奇跡の存在であることを肝に銘じてかけがいのないこの命を大切にして、自分を敬うような生き方をしなさい、という教えであると私は捉えています。
 十年以上前のことです。退職後、旅したエジプトのピラミッドの前にたった時ふと、私の胸にアンパンマンの曲の歌詞「何のために生まれて、何のために生きるのか、答えられないなんて、そんなのは嫌だ」が浮かびました。現役の時、指導の中でこのような視点が弱かったことを反省しました。
 歳を重ねて、今思うことは、人間は幸せになるために生まれたこと、そのために自分はもとより周りの人に喜びを与えられるような生き方をすることだと思うようになりました。
 人間には「喜ばれると嬉しいという本能がある」と脳科学者の言葉があります。
このような生き方は五十周年の研修大会で樋口恵子先生からの「人生百年、役立ちて生きる」に学びました。
 まさに尊徳の自分で自分を敬う生き方であると思うのです。
 いつまでも自分に出来ることに全力を注いで輝き続けていきたいと思います。



感謝・感動・感激の 
第五十七回研修大会を終えて

全国教育女性連盟 会長 水上 芙佐子

 二年ぶりの第五十七回研修大会は東京都教育庁指導部義務教育指導課長市川茂様をはじめ、多くのご来賓のご臨席を賜りました。さらに、会員の皆様の多数のご参加を得て無事に終わりましたことに深く感謝申し上げます。地方から参加された会員の方から、「二日間がお祭りのように心浮き立つ気持ちでした。心に届く研修大会でした。」という言葉を頂き感激しました。
 一日目の文部科学省視学官直山木綿子先生には教育の根底を支える大切な学びの姿勢を分かりやすく具体的にご指導いただきました。そして、私たちに元気と勇気を与えてくださいました。直山先生の存在は日本の教育の未来に明るい希望を抱かせるものと信じます。
 さて、二日目の金澤泰子先生の書家金沢翔子様を育てられたお話は感動で魂が震えました。比べない、競わない、ひたすら無限の可能性を信じて育ててこられた泰子先生の母親としての尊いお心が翔子様を今、輝かせていると思いました。
 実践発表では、大場寿子先生、長谷川郁代先生から斬新な切り口の研究を報告いただきました。未来を見据え、今までにない活動内容を地域の力を取り込みながら、子どもが主体的に自信をもって行動する姿がいきいきと浮かんできました。誠に力強い示唆に富んだ発表でした。
 教育懇談会でも、パソコン教室に通ったり、オンライン会場に参加したり、更に、人と積極的にかかわる、活動の中で、周りを元気な笑顔に変えていく姿が語られました。まさに、今回テーマの「今、輝いて生きる」姿そのものだと思いました。
 金澤泰子先生のご講演にもありましたが翔子様の見返りを求めず、ただひたすら、世のため人のため書に励む姿は、人生百年時代を生きるためのお手本の一つではないでしょうか。
 かけがえのない人生です。これからも、溌刺・颯爽と、生き抜いていけるようさらに研修を深めてまいります。
 このたび研修大会を実りある集いとすることができましたこと、皆様のご支援ご協力のお陰と重ねて心から感謝いたします。



第57回研修大会に希望を託して

全国教育女性連盟 会長 水上 芙佐子

 令和四年のニューイヤーオペラコンサートは心躍る明るさに満ち満ちたものでした。満席のオペラシティホールの熱気は第57回研修大会への希望の扉を聞いてくれたように感じられました。
 二年間にわたり研修大会を実施することができませんでしたが、その間も沢山のご支援ご協力を賜りまして深く感謝申し上げます。今年こそはと準備を進めているところです。
 第一日日は、文部科学省の先生のご講演、二日目は書道家金澤泰子先生(書道家金澤翔子氏のお母様) を予定しております。
 文部科学省の先生からは教育における最新情報をお話いただけることと思います。
 金澤泰子先生からは書道家としてさらに書道家翔子様を育てた貴重なお話を伺い学ばせて頂きたいと思い
ます。
 二日目の実践発表は東京都大田区立道塚小学校長大場寿子先生に「ものつくりのまち」大田区の特色を生かした研究を、埼玉県川越市立霞が関西小学校長谷川郁代先生には小中との連携した安全教育についての研究を発表していただきます。新しい視点の新しい試みの研究成果を楽しみにしております。
 その後の懇談会は皆様の豊かな体験の交流の場となることを期待しております。
 昨年末、上野公園にある東京国立博物館で「最澄と天台宗のすべて」が開催されました。千二百年も前に最澄が人間の尊厳、人としての生き方を示した言葉、
「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」(今いる場所で今いる立場で全力を尽くす人は国宝である。自分自身が周りを照らし、地域、日本、世界を照らせば地球全体に光が届くことになる。)
に心ひかれ、本会のテーマ「今、輝いて生きる」を力強く後押ししていただいたものと勇気付けられました。
 それでは、研修大会でたくさんの皆様をお迎えできますことを楽しみにしております。

令和4年3月14日


最高の善

会長写真

全国教育女性連盟 会長 水上 芙佐子

 感動と感謝に包まれて2020東京オリンピック・パラリンピックは幕をとじました。アスリートの精神と肉体の鍛錬による無限の可能性を秘めた人間の姿が脳裏に深く刻み付いています。
 選手村の自動運転バスを筆頭にITを駆使した施設・設備は、まるで夢の国のようだと海外の選手たちが表現していました。
 「我々アスリートに競技終了後に喝采を送るために、大勢のスタッフさんが待っていてくれた。彼らからの優しさと親切は信じられないくらいだった。この方々無くしては、大会は出来なかったであろう」
 イギリスの男子卓球金メダリストの言葉です。大会を支えたITとともに多くの選手からボランティアへの賞賛と感謝の言葉は日本人の一人として誇らしく思えました。
 今回の会報においては、パラリンピック委員としてまぢかに選手と接してきた本会小林理事の、メダリスト二人へのインタビューを掲載することが出来ました。また、コロナのため、研修大会をはじめ支部代表者会、顧問会等の中止が続く中、皆様からは心揺さぶられるお声が寄せられ熱いエネルギーをいただきましたことに厚く感謝申し上げます。
 さて、コロナのこの時期に人生とは何か、幸せとは何か、などと自分を見つめる機会が多くなりました。
2021年の政府の骨太の方針にも幸福に関する基本計画が掲げられています。先日、人工知能の講演会で「幸福度を上げれば、生産性は1.4倍、創造性は四倍になる」 「普段から幸せを感じている人ほど、仕事のパフォーマンスが高く創造的である」 「職場の幸福度は社員一人一人の幸福度の総和ではなく、周りを幸せにする行動を心がけている人が多い職場の幸福度が高くなる」 と話していました。矢野和男講師は自分の腕に15年間計測器をつけて生活しデータをとり、幸福度を計測したそうです。
 科学的に証明できなくても、幸せとは 「息が出来ることである」 と教えてもらったことがあります。また、アリストテレスは 「幸福は、最高の善である」 と。自らの幸せを認識することは、本会のテーマである 「輝いて生きる」 大前提になると改めて思いました。

令和3年12月22日


平和と女性連盟

全国教育女性連盟 会長 水上 芙佐子

 令和三年度第56回研修大会並びに総会は、残念ながらコロナのため中止といたしました。そこで、本会報には、研修大会でのご講演・実践発表の予定を変更し、長尾篤志先生、鷲津奈都江先生、森嶋尚子先生、浅尾知子先生の玉稿を掲載いたしました。どうぞ、ご期待ください。
 さて、私はこの度、会長という重責を仰せつかりました。本会創設者波頭夕子先生の「同志よ弱らないで、誠実は奇跡を生む」とのご指導を胸に刻み、志と情熱を受け継ぎ守りながら、新しい時代のよりよい価値観を掲げ前進していく所存です。
 女性連盟の目的に「国際社会の平和と進展に寄与すること」があります。平和とは、一人一人が心穏やかに、生きる幸せを感じながら、感謝の思いを持ち続けることだと思います。そのためにも、私たちは自らを磨き輝き、自分の目の前や足元を見つめて行動することが大切だと考えます。
 先日、明治神宮に行きました。百年を経た、目の前に広がる森からは野鳥のさえずりが聞こえ、人間の力を超えたパワーを感じました。都市の汚濁した空気を浄化するには、大きな森が必要という観点でニューヨークのセントラルパーク、パリのブローニユの森などの多くは感染症の流行から造られました。明治神宮の森は感染症の下で出来たわけではありませんが、現在、コロナ禍の下、三密を回避して太陽の光の中で、呼吸をして歩く、当たり前の健康的な日常を享受できる、人々の安らぎの場となっていました。国難とも言える現況で貴重な役割なのだと実感しました。
 女性連盟も、コロナの時代のこの時期に、何ができるか、知恵を出し、協力し合い明治神宮の森のように、多くの人々を少しでも元気にできるような存在を目指して役員、事務局一同で力を合わせて、努めてまいります。どうぞ御指導、御鞭態の程よろしくお願い申し上げます。


会長就任にあたって

全国教育女性連盟 会長 水上 芙佐子

木々の葉が生い茂る季節となりました。皆様におかれましては、益々ご健勝のことと存じます。
さて、私はこの度白鳥恵子前会長の後任として、会長を仰せつかりました。女性連盟の創始者波頭夕子先生の志と情熱を受け継ぎ守りながら、新しい時代のよりよい価値観を受け入れて、前進していく所存です。
新しい役員、理事とともに力を合わせて努めて参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。